Google Smartphone Decimeter Challenge 2023があと1か月程度で終了するようです。2023年度は過去の大会よりもさらに精度があがっており、現在1.066mです。1位は千葉工大の鈴木先生。先週ホノルルでの学会でお会いしたのですが、そのとき1位だった韓国のSejong大学の若手研究者と議論していました。実はこちらの研究室の学生も私のしらないうちにでており、現在1.8mです。ただこの精度はrtklibexplorerの改良版(TimさんがGithubに公開済み)ででる精度なので、ここから1.5mとかさらにその上まで向上できるか。渡航滞在費や学会参加費だけで50万くらいかかるので(Google負担)、3位までにはいれると賞金もありかなりお得です。ソースコード等を公開する必要はありません。あたってくだけろではないですが、このようなチャレンジにトライしてみると、いろいろと勉強になって大変よい機会だと思います。まずはトライすること。そこからです。
Hello,
I know this interesting page from TUMSAT GNSS summer school. I would like to know if the materials in https://gnss-learning.org/learning/ for example the Simulink-based GNSS SDR is open source and can be downloaded?
Thank you very much.
Best regards,
Minh
午後の後半は、1番目にL5信号の耐マルチパス性能を向上させる手法について、2番目は鈴木先生のスマホチャレンジでトップ(去年に続き今年も)になった技術内容の発表、3番目はThomas Pany先生のところの、ソフトウェアベースの信号シミュレータの開発状況、4番目はスマホチャレンジのセッションにもどり、Googleの方の本チャレンジのサマリーを聞きました。すべて興味深い発表で1日目は眠気もこず集中できていたと思います。最初の発表も知っている方の発表で、若干内容についていけなかったので、明日確認。写真は鈴木先生の発表時のもので鈴木先生をよく知っているだけに誇らしかったです。横がGoogleのFrank Van Diggelen氏(GNSS業界ではかなり有名、現在のIONの会長?)です。さらにその横にたっている方もGoogleのMichael氏。この2人にはタローと呼ばれていました。もう5-6年前よりAndoridでのGNSS観測データをオープンにするプロジェクトを立ち上げ(そのタイミングでFrank氏がGoogleに転職していた)、ここまできたかという印象。私も車両でスマホの精度をたびたび確認しますが、市販品でリアルタイムでよくやるなと思います。このセッションでの発表内容も市販品に入ってくるかもしれませんね。本プロジェクトのSDRでのコンテスト(来年予定)もどこかの学会でその事例を紹介できればと思います。SDRベースなので、わかりやすいのはIFデータ(オープンスカイと都市部)だけ公開して、あとはどこまで精度を高めれるかというようなものです。
Hello,
Could you please check the link for IF data L1 (RTL-SDR) and IF data L5 (TeleOrbit)?
The links seem broken.
Thank you very much.
Best regards,
Gia Minh Hoang
期間があいてしまいましたが、ご連絡です。このHPは今後も数年は残していく予定です。ただ、最新のニュース等は、研究室のHP(https://www.denshi.e.kaiyodai.ac.jp/)にアップしていく予定です。こちらには、本プロジェクトで得た成果を残すような形です。
SDRに関しては、2つ力をいれています。1つは市販廉価受信機のRTKの性能にせまるSDRの制作。もう1つはSDRを利用した信号処理部でのマルチパス低減技術の開発です。まずRTK測位のできるSDRについては、来週7月24日から26日のSANEで学生が発表します。FPGA化についても今後進展があればご連絡します。
高須様のRTKLIBのブログには、ポケットSDRの進化版について、詳細な記載があります。大変有用ですので、お時間あるときにブログをのぞいていただけると幸いです。
今年度も測位チャレンジは開催予定です。こちらも以下のWEBサイトをご覧いただけると幸いです。https://www.denshi.e.kaiyodai.ac.jp/challenge/
Google Smartphone Decimeter Challenge 2023があと1か月程度で終了するようです。2023年度は過去の大会よりもさらに精度があがっており、現在1.066mです。1位は千葉工大の鈴木先生。先週ホノルルでの学会でお会いしたのですが、そのとき1位だった韓国のSejong大学の若手研究者と議論していました。実はこちらの研究室の学生も私のしらないうちにでており、現在1.8mです。ただこの精度はrtklibexplorerの改良版(TimさんがGithubに公開済み)ででる精度なので、ここから1.5mとかさらにその上まで向上できるか。渡航滞在費や学会参加費だけで50万くらいかかるので(Google負担)、3位までにはいれると賞金もありかなりお得です。ソースコード等を公開する必要はありません。あたってくだけろではないですが、このようなチャレンジにトライしてみると、いろいろと勉強になって大変よい機会だと思います。まずはトライすること。そこからです。
https://www.maanmittauslaitos.fi/en/research/research/gnss-specialists/fgi-gnss-jamming-and-spoofing-dataset-repository-fgi-jsdr
ソフトウェアGNSSで教科書を出しているFGIのほうにもスプーフィングありのIFデータがありました。
スプーフィングありのGNSSのIFデータですが、テキサス大学のWEBサイトで公開されています(以前古野電気の方より聞いていました)。こちらの学生も利用しており、IONの発表で利用予定のようで念のためこちらも記載します。貴重なデータとおもいます。研究室でもFraunhoferに依頼して、Spirentシミュレータで取得した真+Spoofing信号のIFデータはありますので、もし必要であればご連絡ください。
https://radionavlab.ae.utexas.edu/2021/12/07/texbat/
昨日の高須先生講義の最後のほうで、SDRを利用したアレイアンテナの紹介がありました。海洋大でも取り組みたいと考えておりますが、なかなか時間とれずです。本件は海老沼先生や公立大の辻井先生、または高須先生に直接コンタクト頂ければと思います。
パラメータ調整の機械学習。HOLDモードは有効なときがあるが、ミスFIXからの復帰に難がある。レファレンスは正解位置だが、この正解位置をどれでとるか(1㎝でとれるのか)も問題。
研究のアイデアは自分で考えよう。
今回の講義では、事前に質問をさせて頂いておりまして、高須先生からの詳しい回答もあります。とりあえず研究室内からの質問は確認がとれているためすべて公開します。
高須先生講義2日目です。GLONASS衛星のPRN26がCDMA信号を送信しており、最初にリアルタイムで受信している状況の紹介がありました。ICDは事前に公開されています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S027311772300100X
JAXA様が開発されたMADOCAの論文です。
MADOCA: Japanese precise orbit and clock determination tool for GNSS
PPPのFCBの評価。FCBのレファレンスをどうするか。単独評価が難しい。
長基線RTKの電離層推定、対流圏推定版(2010年頃のポートランドでのIONで発表されている)はPPPの開発につながっている。ParticalFIXはPPPでかなり検証されていたようです。RTKでも問題になるRatioテストが完璧でない件。特に擬似距離のマルチパス誤差。基本LAMBDA等も誤差モデルは正規分布が仮定されている。誤差モデル、モデルからずれたものの排除、昨今のみなさんがご存じの受信機メーカのRTKエンジンはGNSS単体でもよくできている。MADOCALIBはJAXAが開発。PPPやPPP-ARの収束時間の課題。トリンブルRTXはほぼ1分以内で2-3㎝。なぜ商用はいいのか。衛星数が多い、3-4周波、補強情報側とユーザ側で同じソフトが利用できる(衛星の姿勢も含めて)。コードバイアスも問題。受信機によって挙動が違う。おそらくRTXはそのあたりの問題は少ない。
PPP開発の歴史について、公開版は電離層フリーで、JAXA様と2015年頃に開発したものは、電離層フリーだけでなく電離層推定や線形結合バージョンも導入されている(実験的な取り組み)。残念ながらこれは公開されていない。STECやZTDの推定も大事。性能は公開版と差はないとのことだが、アプローチとして電離層フリーでない方法は重要と思います。2015年の宇宙科学連合で発表済み。
さきほどのREGARDの件ですが、東日本地震のデータは検証用に利用されました。
https://qzss.go.jp/info/archive/regard_180713.html
Guthubでソースコード管理がやりやすくなった。現在は2.4.3.b34が最新(2020年12月30日)。そのあと、RINEXは4.01まででている。RTCMも3.4もでている。2024/12/31に2.4.3.b35を出される予定。DCBの対応ももう少し。IGSが公開しているパラメータに対応。MADOCA-PPPは未定。GoogleMapも利用できるようにする。Githubでのスターの数は2303で、世界でGNSS関連で2番目。1番目が海老沼先生のSDRSIMです。ソースラインカウントは当初が約1.3k(2006)。Windows、GUIも含めて最終的にトータルで82k。個人で管理は限界。今後のメンテナンスの維持は進む可能性がある。2009年に出されたISGNSSでのRTKLIBの論文(UBLOX4Tを利用し、ビーグルボードにRTKLIBのコマンドライン版(このRTKRCVをリアルタイム版として我々も頻繁に利用しています)を実装し、日本GPSデータサービスの補正データを利用した受信機)が一番引用が多い。2011年の東日本大震災のときに国土地理院の方々(川元様ら)と東北大の太田先生らが開発されたREGARDは長基線RTKでリアルタイムで運用されています。能登半島沖地震でもリアルタイム解が速報され、翌日後処理での解が公開されていました。PPPも利用可能と思います。
https://www.gsi.go.jp/common/000137236.pdf
講義風景です。今回12名の参加です。RTKLIBの歴史からはじまり、私も知らないことも多いです。
だいぶ期間があいてしまいましたが、今日明日は高須先生の講義です。10月はSDRコンテストを開催し、信号捕捉、追尾をFPGAで実装するための開発(3月月下旬には公開予定です)、荒井様の講義(SDR全般)、山田様の講義(SDRでのRTKを想定した内容です。内容公開予定です)。本セミナーに参加された若手の方々の成果が少しずつでており、随時発表資料に掲載しております。SDRコンテストの内容についてですが、研究室の後藤君に取り組んでもらい、自力でWEB検索などし、77機中、72機の信号捕捉〇まで確認してくれました。おそらくコンテストでの1位の結果より良いと思います。このソースも近日公開します。
先日質問を受けた件ですが、去年のセミナーで紹介していないガリレオやBeiDouの信号追尾方法を記載したPDFを次のアドレスにアップしました。改めて説明動画をアップする予定です。 https://gnss-learning.org/wp-content/uploads/2023/08/SDRコンテスト用解析例.pdf
SDRコンテストの準備が整いました。詳細はコンテストのタブをご覧ください。提出の締切は9月30日としています。上位3名には、測位航法学会より賞金をだします。まずセミナーに参加された30名の方にデータのリンク先をご連絡します。そのあと、幅広い方に取り組んでいただけるようHPでも公開予定です。内容自体は基礎的なもので、GPS/QZSS/GALILEO/BDSの信号追尾を行い、きちんとデータをデコードできるかというものです。わからないことなどあれば、この掲示板でもよいですので遠慮なく質問してください。または直接、鈴木先生、海老沼先生、久保でもかまいません。今回のコンテストの内容は基礎的なものですが、干渉や欺瞞信号に関するIFデータもこのHPで順次公開していきます。よろしくお願いいたします。
提出ファイルについて質問があります。GPSのL1C/AとL1Cなど、同じ衛星から同じ中心周波数で異なる信号が送信されているケースがあります。この場合、レベル1の衛星番号はどのように報告すれば良いでしょうか。信号が複数であっても衛星番号のみでしょうか。それとも捕捉に成功した衛星番号と信号名でカウントされるのでしょうか。また、同じように、レベル2のファイル名も衛星番号のみではなく、衛星番号と信号名としてそれぞれの航法メッセージのビット列を報告しても良いでしょうか。もう一点、SBASの信号も今回のコンテストの対象に含まれるでしょうか。
質問ありがとうございます.ご指摘の通り衛星番号だけでは異なる信号がカウントできませんでした.レベル1はG01_L1C,G01_L1CAのように衛星番号と信号名の組み合わせで報告をお願いいたします.レベル2も同様にG01_L1C.csv,G01_L1CA.csvのように衛星番号と信号の組み合わせでCSVファイルの生成をお願いいたします.
上記の点に関しましてreadmeとHPの説明も更新させていただきます.ご指摘ありがとうございます!
SBASに関しては,コンテストの対象に含みます.こちらも説明に追記させていただきます.
第1回のSDRセミナーに参加した尾関です。
セミナーではL1C/Aのデコードを主に取り扱いましたが、B1,E1をデコードするための参考ソースがありましたら教えていただけますでしょうか。
問い合わせの件、了解しました。現在それら信号に対応した確認をしているところです。Github等にあるプログラムを用いて解析できるよう、できるだけ早く案内します。
本プログラムのソフト受信機の後半部にあたる測位演算について、測位チャレンジを開催することとなりました。詳細は以下をご覧ください。
https://www.denshi.e.kaiyodai.ac.jp/challenge/
申込も開始しておりますので、興味のある方はぜひトライしてみてください。
6走行分ですので、時間をそれほどかけずに解析できる量です。
申込は以下です。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdjI-NkiF8w0asDKmy2ptKoQBclHegIB0Etkf-prkoaEg1Uug/viewform
発展的課題でのご案内です。以下の通り、海老沼先生より先日アナウンスがありました。そのまま転記いたします。個人的に、これまでのPCのみでのオープンソース学習の枠を超えた画期的な提案です。FPGAまで含めた能力を身につけることで、若い方には協力な武器になるのではと素人ながら思います。
以下海老沼先生からのご案内です。
昨年度のセミナで入門的な紹介をさせていただいたFPGAですが、今年度は発展的課題のひとつとして本格的なGNSS受信機開発ができるように、開発用のプラットフォームを準備しました。
一からの開発となりますが、この発展的課題に参加してくださるメンバーを募集中です。FPGAによるGNSS受信機の開発に興味があり、挑戦してみたい方は、海老沼(ebinuma@isc.chubu.ac.jp)までご連絡ください。
数名ほどのチームでの開発を予定しており、GNSS受信機開発用プラットフォームも数台準備しております。参加メンバーには、こちらのプラットフォームを貸し出します。
積極的なご参加をお待ちしています。
GNSSシミュレータの講義に参加された皆様へ
多くの貴重なコメント等ありがとございました。ほぼ海老沼先生、鈴木先生への質問が多いため、必ず3名の教員で共有します。また、この取り組みを紹介した去年の5月頃に話しをさせていただきましたが、ソフトウェアGNSS受信機やシミュレータで、市販受信機と同等のものをすぐに準備することは難しいです。できるかぎり海外の動向などもさぐるようにしておりまして、このサイトにもアップしております。この取り組みが、そのような市販受信機レベルまでもっていくにはどうすればよいか?というモチベーションにつながっていくことを期待しております。一方、受信機観測データから測位演算の部分については、高精度測位チャレンジを実施予定です。引き続きよろしくお願いいたします。
今日18日の午前はソフトウェアGNSS受信機を担当される鈴木先生です。前年のセミナーで実施した内容を、コンパクトにまとめて、広くセミナー参加者以外に展開をして頂いています。午後はRTKLIBの利活用と高精度測位チャレンジで研究室の学生と久保から話題を提供させていただきます。
今日の13時より測位航法学会の全国大会に合わせて、海老沼先生のGNSSシミュレータに関するセミナーを開催しました(写真)。このセミナーは夏か秋に2回目を実施しますので、参加できなかった方がおられましたら、このWEBサイトや測位航法学会のWEBサイトをたまにご覧ください。ソフトウェアGNSS受信機を利用したコンテストは、鈴木先生が内容を考えておられ、6-7月中にこのWEBサイトで内容を公開します。そして、8,9月の2か月で取り組んで頂き、10月18日から20日の測位航法学会のシンポジウムで優秀者を表彰する予定です。できるだけ取り組みやすい課題とします。またその他、ソフトウェアGNSS受信機を利用した発展的課題については、すでに参加者の中で取り組まれている方がおられ、大変頼もしいかぎりです。わからないことなどありましたら、こちらで対応できることはしますので、遠慮なくご連絡ください。最近では、ジャミングスプーフィングに関する話題や、スターリンク等の小型低軌道衛星の話題が多く出ております。今回の海老沼先生のシミュレータやソフトウェアGNSS受信機の出番と思います。
海老沼先生のシミュレータのセミナーのご案内です。5月16日(火)の午後に、東京海洋大学の越中島キャンパスにて、GPSシミュレータの基礎とシミュレータ用の信号生成方法に関するセミナーを開催します。2022年度セミナー参加者にはメールでご連絡しますが、可能な限り参加いただければとおもいます。MAX50名程度となります。秋にも、同じGPSシミュレータのセミナーを場所を変え関西で開催予定です。なお、5月17日から19日は測位航法学会の総合大会がオンサイト(同じく越中島キャンパス)で開催されます。17日、18日がGNSSの基礎のセミナーと19日が研究発表会となります。17日または18日に、RTKLIBを利用している方々の自由な討論会のようなものを開催予定です。
https://github.com/osqzss/gps-sdr-sim
発表一覧の箇所に、Kai Borre先生の新しいGNSS SOFTWARE RECEIVERSの教科書に付属していたMATLABのプログラムの動作確認方法をアップしました。セミナーに参加した長岡君が担当してくれました。これから、ポケットSDRで取得したIFデータでの動作確認まで行う予定です。Kai Borre先生ですが、すでに亡くなられていたと鈴木先生に聞きました。ネットで検索したところたしかにそのようでした。
発表一覧の箇所に、広島市立大の高橋先生と大阪公立大の米山様(学生さん)の関連情報を更新しました。非常におもしろい内容です。現在、こちらの研究室の学生も、高橋先生と同様に、ポケットSDRでL6受信を行い、F9Pを利用してMADOCA-PPPの検証を行っています。後処理ではそれなりの精度がでているようです。リアルタイムでできないか検討しています。もしできると、非常に安価でMADOCA-PPPを試すことができるようになります。先日のブログで、海洋大で博士を取得した場合、そのまま海洋大で教員として残ることができないと書きましたが、これが間違いで、実際に学部、修士、博士そして教員とストレートになる方がここ10-20年は非常にまれなだけで、実際には海洋大で博士をとり、一度外の研究機関や企業にでられて、戻ってくる若手教員はおります。その部分、間違いを訂正しておきます。
本セミナーに参加された皆様、両先生、ありがとうございました。2日半の長丁場疲れたかと思います。2日目最後のほうに鈴木先生より紹介のあった、リアルタイムで航法メッセージやIQ、ひいては相関波形(少し改修すればすぐに見れます)を、実際に車両等で移動しながら、例えば天頂方向にある準天頂衛星を追尾しながら観測すると、搬送波位相がどのように追尾されているかよくわかると思います。そうすることで、普段RINEXで見ている搬送波位相の実体も見えてくると思います。本セミナーは衛星測位技術を加速させるとありますが、参加されたみなさんが、受信機の中身のわかる人になっていくことで達成されます。普段の業務や勉強がありなかなかじっくりと見る時間がないと思いますが、少し時間をかけて自ら習得した技術や知見は必ずみなさんのバックボーンになっていくと思います。本ブログや発表資料等で、SDRを利用した結果等を今後アップしていきますので、たまにチェックいただければと思います。話し飛びますが、今日セミナー終了後、私の博士論文の指導教員であられた柴崎先生の退職Partyに参加しました。私は博士号を持たずに海洋大に助手で赴任したため、外の大学で博士号を取得することが必須と言われ、最初は母校に行きましたが、場所が遠いのと基準がやや厳しく、たまたま講演会やセミナーで知ることになった柴崎先生に思い切ってお願いしたことがきっかけでした。今日のPartyで私のような方が他にもおられるたことを知りました。大学に残ったことでGNSSの研究を継続できたこともあり、本当に柴崎先生には助けていただいたと思います。柴崎先生はまだまだこれからで、次のスタートをすでに切られています。また海洋大で採用いただいた安田先生には、今も測位航法学会で大変お世話になっており、この2人の先生があっての自分です。実は、マルチパス関連での3D地図を利用した話しは、2002-3年頃に柴崎先生の発想で柴崎研ですでに行っており、そのときは私に発信力がなくよい発表や論文を書けませんでしたが、その後、鈴木先生がソフト開発が得意であられたこともあり、米国航法学会で大きく評価されたと思います。さらには香港のLiTaHsu先生もです。LiTaHsu先生は、先月のITMでPerEnge先生の賞(Early Achievement賞)をとられていましたが、アジアではLiTaHsu先生か鈴木先生と私も思っていました。PerEnge先生は残念ながら数年前に亡くなられましたが、私がPer先生の研究室から日本に戻る日に、Per先生より、先生の著書にサインいただいたものを、直接頂いたことを今でも覚えています。私はほぼ毎日研究室に通っていたため、研究室の学生さんらによい影響があったとほめて頂いたこともありました。元祖GPSのParkinson先生がおられる研究室だけあって、Enge先生も研究には厳しい方でした。話しがかなり飛びましたが、今後もSDR関連で更新していきます。4月以降は海老沼先生のGNSSシミュレータのセミナーとコンテストを行います。またSDRを利用した発展的課題については、本当に遠慮なく3名の教員のいずれかにご連絡ください。できるかぎり対応します。
海老沼先生のFPGAの活用の講義です。
雪が降り始めていましたが、みなさん開始時間までに到着され、最終日3日目が無事スタートしました。
本日は鈴木先生の講義1コマ、海老沼先生の講義3コマです。
添付がUBLOX用のアンテナとスマホです。屋上の同じアンテナからリピータで放射したものを受信しているので、基本ゼロベースの基線解析になると思います。
9日の午後のセッションも開始しています。現在ちょうどコリレータの部分で、信号追尾(DLL, FLL, PLL)で肝心の部分となります。私はリピータがあるとついスマホでデータを取得してしまうのですが、いまUBLOXとgoogle pixel 5aで10分ほどリピータによる観測データを取得し、RTKPOSTでGPSのL1のみでデフォルト設定でContinousで解析すると添付のようになりました。信号レベルは両者ともに40前後です。スマホ側のコードの精度がやや悪いですが搬送波位相のアンビギュイティが解けていることがわかります。
第2回のセミナー2日目です。
9:30より鈴木先生の講義でスタートしました。本日は鈴木先生の講義が4コマです。
今日8日の最後の講義は鈴木先生です。明日以降につながる重要なフロントエンドのPC側の事前設定の内容です。このセミナーでは大丈夫ですが、一般的にここでひっかかり、IFデータをまともにとれないという話しをよく聞きます。
第2回のセミナー、さきほど海老沼先生のフロントエンドの講義より開始しました。
本日より10日まで第2回のGNSS-SDRセミナーの開催となります。昨日は電子航法研究所の電波暗室をお借りして、アンテナ測定を無事終えました。電子研の毛塚様をはじめ、関係者の皆様、大変ありがとございました。
添付は今日より3日間利用するアンテナです。精密位置(F5解)は
35.6665780 139.7934187 48.31
となります。このアンテナの電波がセミナー開催部屋の前のほうに設置した
アンテナより出ております。
セミナーの内容だけでなく、ソフトウェアGNSS受信機やGNSSシミュレータに関する内容であれば遠慮なく講師の鈴木先生や海老沼先生に質問してください。
2月7日に電子航法研究所の電波暗室をお借りしてアンテナ測定を実施しました。
こちらはオリエンテーション時の写真です。
Hello,
I know this interesting page from TUMSAT GNSS summer school. I would like to know if the materials in https://gnss-learning.org/learning/ for example the Simulink-based GNSS SDR is open source and can be downloaded?
Thank you very much.
Best regards,
Minh
Hello Minh,
Thanks for your interest in our website.
We will get back to you on your question and request via email.
Kind regards,
発表に関係ないですが、初日の朝にはやめに学会会場にいくと香港理工大のLiTaHsu先生がおられ、早速こちらの学生が短期で研究訪問できるか聞きました。可能なようで、先生が認めてくれれば、3か月分の滞在費は相手側の大学から出るということでした。それ用の資金をお持ちのようです。香港は中国と異なり、COVIDに関しては日本より先にオープン。海外から人がこないとやってられない国と先生自身が言ってました。その他、米国企業からのオファーもあるようで、このような学会でトップレベルで活躍されている方はそういう機会あるのだと思います。そのあと、鈴木先生に確認すると、予想通り同じでした。10年前でも米国のITは給料高かったですが、今はさらにあがっているので、今回参加されていたJAXAの方でテキサス大に留学されている方の話しでは、学部卒でもコンピュータサイエンスは最低1000万超えるようです。2008年頃はスタンフォードのPhDでそれくらいでしたが、いまは?。上記の米国企業だと2-3000万?給料はともかく、ソフトウェアエンジニアの人材獲得競争は今後も続くのでしょうか。国内でも東大をはじめ、とんがった若い方が確実に増えていますね。鈴木先生が博士取得し、海洋大に3年おられたときの印象ですが、新しい分野にも関わらず、その分野で複数のテーマでかなり高いレベルに持っていくスピードが速かったです。ネット上にある有用なソフトを利用できるところは利用して、あと自分で作らないといけないところは自分でつくる。あと他人がやっていない領域を責める。これからの若い方の参考になれば幸いです。話し飛びますが、海老沼先生のブログです。https://blog.goo.ne.jp/osqzss/e/04b7a18f26797de83fe2024e558bce19
23日午前 Factor Graph Optimizationの理解を深めるために、香港理工大の学生さんの発表。あまり細かい部分の説明はなく、もう使いなこなす領域になってきているかもしれません。次は機械学習とSingular ValueでSpoofing検知の性能差がどのくらいあるかという発表。次は、クラウドに集まるセンサー情報をベースに機械学習で干渉モニタリングをする話し。携帯で標準化してくれれば、どの地域のどのあたりにGNSSに信号に問題がありそうかという可視化ができると便利だと思っていました。本当に干渉波やSpoofingで検知できているかがキーですね。公的な電波で干渉することもあると思います。次は都市部RTKでの性能で、3DMAとOutlier検知でどのくらい差があるかという話し。興味ありますが、利用できるならどちらも利用しそうな気がします。次はAllystarのカナダの方の発表。早速学生に確認してもらいたい発表でした。RTKのFIX解の信頼度とintegrityに関する話し。次は、韓国の大学で(今回中国はCOVIDもあり非常に少なかったですが、韓国の大学からは多数きていました。15名以上?)非線形回帰モデルを利用した、3D地図ではなく、上空視界から方位仰角でこのくらいの誤差があるだろうという平面のモデル作ってマルチパスを予測し、その検証をソウル都市部で実験した発表。次はAllystarさんのintegirtyの詳細。最後は上海交通大からの発表で、ちょっと覚えておらずすみません。アブスト見ればすぐわかるのですが。なお、この時間帯には、古野電気の高山様の発表もありました。GNSSとIMU、その他センサとの統合をまじめに取り組まれている企業です。これらセンサとの統合は、GNSSの深い知識があったほうが絶対よいと思います。高山様とは帰りのタクシーでごいっしょさせていただきました。最初は歩いてユニオン駅へ行きと考えていましたが、デンバーもダウンタウンは治安悪くなってきているようで、浮浪者もそれなりにおられ、朝4-5時に歩くのはやめておきました。ジャマイカ出身のタクシー運転手は2日に1回くらい殺人起きていると言ってましたが、それははったりで、ネットで調べると、デンバーのダウンタウンだけで、1年で20人くらいでした。数年前情報なので、最近は増えているのかもしれません。ざっとデンバーは70万人で江東区は50万人くらいで、人口あたりだと、デンバーの殺人事件の件数は江東区の7-8倍くらいかと。米国では治安良いほうですね。現地の日本人の方にシカゴ周辺はここより全然厳しいと言われていました。
23日最終日 今日も朝から聞きたい発表があり、続いてアワードランチ、午後は学生の発表するセッションに最後までいたため、途中休めませんでした。アワードランチで毎年行われるケプラーアワードはイリノイ工科大のParvan先生。Pervan先生は私がIONに参加するようになった2003年頃から毎年見ていて、特定のセッションだけでなく、幅広い分野のセッションでずばずばとコメントをされる方で、こういう方がいないと学会が盛り上がらないなという印象がありました。ケプラーアワードはこれまでもそういう方が受賞されてきた印象があります(私の勝手な憶測です)。Pervanの研究室には自動車のIntegirtyに取り組んでいる日本人の博士課程の方がおられます。スマホチャレンジの表彰もあり、鈴木先生が前にでて受け取る場面もありました。23日分は後日投稿できればと思います。今日の聴講だけでも、学生に試してもらいたい案がいくつもでてきました。定期的な学会参加は大事だと改めて思います。
22日午後後半 1番目はトリンブルの3周波の話しでしたが、前の発表に近く、ちょっと残念。2番目はHASに関するもので、いよいよ欧州でも高精度測位サービスが開始する模様です。3番目はスパイレントの3Dモデルを利用したGNSS性能予測に関するもので、東京の営業の方に聞いた話しとほぼ同じでした。最後はオハイオ大のZ. Kassas先生で、LEOでの測位の全体の話し。この方はけっこう見ますが、一体何件発表しているのだろうか?LEO関連にかなり力を注いでいる模様。LEO関連の方と立ち話しましたが、SDRは当たり前で、ソースを公開してくれるような感じではなかったです。Starlinkとかも基本手探りで信号をみるので、ある発表で、講演者がキーとなる情報を明かさないので「そういう受信にキーとなる情報をシェアするのが学会だよね」と盛り上がってました。たしかにそういうところで時間をとられるのは嫌ですね。今日も昔から知る多くの方と挨拶、議論をすることができ、こういうのがきっかけで、メールでコンタクトをとれるというのもあると思います。rtkexplorerの開発者とも話しをすることができました。デンバーにお住まい?のようで、今回は参加されたとのこと(おそらくGoogleが参加費用を支払い)。とても気さくな方で(私よりも年齢は上だと思います)、技術的な話しもできました。高須様によろしくと何度も言っておられました。これはkaggleのランキング表です。https://www.kaggle.com/rankings 鈴木先生と夕飯時に話したときに、SDRのコンテスト(スモールな個人用のもの)もkaggle上で行うことができることを知りました。参加者にコンテスト用のIFデータ等を公開したりするプラットフォームもあるので、使う方向がよいと考えています。
22日午前後半 テキサス大のLEOでの地上からの干渉や欺瞞信号の検知について。以前から発表があり、いわゆる欺瞞信号は実際には少ないという報告。2番目はRTKと同じレベルのPPPサービスを世界的に提供するには。3番目はAndroidとiOSの比較。背景は車の高速逆走事故を防ぐ。ドイツです。予想はしていましたが、現段階ではAndroidのほうがGNSSの精度は良さそうです。4番目はPNTのためのLEO衛星。
22日午後前半 鈴木先生の発表は尾関君に任せて、私はubloxの発表へ。車両の速度センサとジャイロの利用についてでしたが、彼らはまじめで本当に速度センサやジャイロを安全用に利用できるか検討していました。速度センサは通常の走行ではよいのですが、スリップ等すると使えないので、そういう話しでした。2番目はトリンブルのASILの認証を受けたPPPエンジンについて。ようはRTXのFAST。彼らの発表内容は、比較的我々が発表している信頼度の結果に近いものでした。RTX-FASTは日本ではサービスないので試せないですが、まさにCLASと同等に見えました。米国と欧州のみでしょうか。3番目はGNSSのアンテナキャリブレーション。うーん、車両を回転台にのせた実験で、方位によって低仰角の擬似距離誤差がかなりばらつきありましたが、いわゆる普通のパッチアンテナでもここまで違うかなという印象でした。発表者を捕まえることができず。4番目はLiTaHsu先生の3DMAとWiFiの話し。この発表とは別件で、GNSSでのMUSIC利用や、長いコード相関をとり、都市部でマルチパスを見分けたり、再追尾を早くする話しをしました。
22日の午前前半は2件Integrity関連を聴講し、2件はGlobalstarとStarlinkのLEO衛星の信号受信に関するものでした。IONは6セッション同時に進むため、聴講した発表が重なることが多いです。Integrity関連は昼食時に再度確認するとして、LEO関連は発表が多いです。RTKのARと同じで、何に役立たつだろうという部分のあるかもですが、新しい衛星の信号を解読する楽しさがあるように見えました。少なくともCDMAやOFDMを理解していることが前提で、あとはGNSSの信号処理を経験していると、類似する部分も多いと思います。エフェメリスの精度とクロックの精度が肝になりますが、そのうち出てくるでしょう。デファレンシャルも利用できますね。
午後の後半は、1番目にL5信号の耐マルチパス性能を向上させる手法について、2番目は鈴木先生のスマホチャレンジでトップ(去年に続き今年も)になった技術内容の発表、3番目はThomas Pany先生のところの、ソフトウェアベースの信号シミュレータの開発状況、4番目はスマホチャレンジのセッションにもどり、Googleの方の本チャレンジのサマリーを聞きました。すべて興味深い発表で1日目は眠気もこず集中できていたと思います。最初の発表も知っている方の発表で、若干内容についていけなかったので、明日確認。写真は鈴木先生の発表時のもので鈴木先生をよく知っているだけに誇らしかったです。横がGoogleのFrank Van Diggelen氏(GNSS業界ではかなり有名、現在のIONの会長?)です。さらにその横にたっている方もGoogleのMichael氏。この2人にはタローと呼ばれていました。もう5-6年前よりAndoridでのGNSS観測データをオープンにするプロジェクトを立ち上げ(そのタイミングでFrank氏がGoogleに転職していた)、ここまできたかという印象。私も車両でスマホの精度をたびたび確認しますが、市販品でリアルタイムでよくやるなと思います。このセッションでの発表内容も市販品に入ってくるかもしれませんね。本プロジェクトのSDRでのコンテスト(来年予定)もどこかの学会でその事例を紹介できればと思います。SDRベースなので、わかりやすいのはIFデータ(オープンスカイと都市部)だけ公開して、あとはどこまで精度を高めれるかというようなものです。
午後のセッションの前半はなかなか理解できないものが多かったですが、発表自体はおもしろいものが多い。最初はポータブルLEOの話しで、どちらかというと今やっているドップラ測位に近い感じで、やはりクロックが大事。2番目はスマホセッションで韓国の学生さんで速度と位置による推定方法。搬送波とドップラを使いわけるなど。3番はマルチモーダルな方法で高信頼に干渉波を見分ける方法。これがおもしろく、やはり実験環境には苦労されているよう。室内でしたがおもしろい方法でした。これもSDRマストです。4番目はSDRでのスナップショットRTKで、RTKLIBを利用されていました。ガリレオのPRS信号を使ったもの。SDRのRTKは発表少ないので、研究室でも修論等にまとめておくのが大事かと思いました。
今週はアメリカの航法学会(コロラドのデンバー)に参加しています。SDR関連の発表も少なからずあり、ジャミングやスプーフィング、低軌道衛星関連も多くなってきました。スマホやマルチパス関連の発表も多く、楽しみな学会の1つです。今日の午前中の前半は、1アンテナでの方位推定、RTXのスマホ測位、スペインでのVRSライクな補正手法、SDRが研究開発用途に十分利用できるようになってきたという発表を聴講しました。後半は、携帯の4Gでの測位、2アンテナでのジャミング波を抑制したRTK、TDCPを利用したPPP測位、3D地図を利用した誤差検出方法について聴講しました。オンラインだとなかなか全部の発表を聴講できませんが(というかほぼ聴講せずに終わる)、オンサイトだと他の仕事がないため、聴講に集中でき、立ち話での情報収集、発表者への込み入った質問もできるため、対面で学会にでる良さはあると思います。こちらでは、学会会場でもマスクをしている方を探すのが大変で、あきらめてマスクはほぼはずすしています。こういう場所にくると、3回接種しておくことは大事かもしれません。
8月26日に、電子航法研究所のご協力を得て、GNSS用アンテナの測定を参加者らと実施することができました。電子研の毛塚様には1日セットアップからご説明までご協力頂き、大変ありがとうございました。またJAXAの山田様にはいくつかの発展的課題の案や、みちびきのPPPの詳細を説明頂きました。ありがとうございました。アンテナ測定のほうは、ノバテルのGPS703とAMO社のF9Pについてくるもの、そしてTOPGNSSの軽量のヘリカルを測定し、それぞれ特徴のある結果となり私にとっても大変有用でした。電子研の暗室は広く使いやすく、貸し出し等(普通に借りるよりも安価)も行っているようです。ジャミングやスプーフィングの試験に利用できればと個人的に考えております。写真のほう解像度良くなく申し訳ありません。
GNSS-SDRにご参加及びご協力頂いた方々、大変ありがとうございました。今後の研究開発につながるよう今後もサポートさせていただきます。最終日は海老沼先生のFPGAの講義で無事終了しました。
最後に鈴木先生より去年のIONで発表されたSDRを利用したNLOS信号の判別に関する研究の紹介がありました。実にSDRに適したおもしろい課題で、研究室でも大学院生が試そうとしているところです。参加者の皆様もぜひ何かしらGNSS-SDRの知見をもとに研究開発に役立てていただけると幸いです。写真の通り11時より3コマFPGAの基礎を海老沼先生が担当されています。
念のため、こちらが取得環境です。RTL-SDRをさしてアンテナはAMOです。RTL-SDRはサンプリングが2MBでPCでの処理もスムーズでセミナー用に適していると思います。実際の研究等ではポケットSDRが良いでしょう。
3日目です。最初に鈴木先生のデコード+擬似距離計算+測位の説明があり、その後、海老沼先生のFPGAの講義(3コマ)となります。いま昨日のリアルタイム信号追尾処理を再度自分で動かせるか試したところの画面キャプチャです。
今日の最後のほうは航法メッセージのデコードです。私はあまり気にしていなかったですが、実際航法メッセージのビットが少しでも間違っていると衛星位置はおかしくなるので、誤りチェックや訂正は重要ですね。新しい信号はそのあたりが充実されています。その分、実装が大変ですね。
信号追尾が終わり、これからIPデータからの航法メッセージのデコードです。信号追尾の最後にリアルタイムでRTL-SDRの信号を見ましたが、これまで後処理用のファイルを読み込んでいた部分に、RTL-SDR用のリアルタイムのブロックを差し替えるだけですぐに動作します。授業でもこちらを利用したほうがよいですね。
zero-padding利用の信号捕捉のsimulink上での結果です。1ms分の相関と両端の残り分の相関がみられるのがわかりやすいです。
zero-paddingの意味がわかりやすいのではりつけました。
simulinkを利用したコードの相関の確認。私はsimulinkを実践で利用するのははじめてですが、学生が理解しやすいと思うので授業でも利用しようと思います。
6コマ目では、GNSS信号の概要の説明があり、SDR用のデータを取得したときの衛星配置を保存する処理などを行いました。できれば、市販受信機のデータも取得しておくと、比較もできるのでなおよいとのことです。RTL-SDRは個人でも購入できるほど安価なので、GNSS受信機を勉強するには向いています。昨日最後の説明で、bias teeをonにすることが重要ですとの話しがありました。私も知らずでいつも他の市販受信機から供給してました。
今日は9時半より開始しました。昨日の最後はSimulinkでGNSSの信号をスペアナで見るところまででした。スマホのGNSS情報を見ると室内であることもあり、再放射の信号を完全に受信しているようです。スマホの示すC/N0が、市販受信機の信号より高いため、これから学生に調べてもらいます。
5コマ目の鈴木先生の講義です。別件ですが、ION(米国航法学会)のGoogleのスマホの観測値より精度を競うコンテスト、今年も鈴木先生がトップとのことです。
海老沼先生のフロントエンド講義の最後でポケットSDRの動作確認までできました。この3日間受講者でがんばります。添付写真が1秒データをダンプして信号捕捉をした結果です。15名みなさんできています。
私もセミナーに参加しており、前から9列目の場所にubloxの受信機とアンテナを置き、再放射アンテナから受信できているか確認しました。ほんの5m程度先にある基準局の補正情報をスマホで取得し、RTKができていることを確認できました(u-centerの写真)。再放射用の元のアンテナも屋上に設置しており、アンテナはノバテルです。
GNSS-SDRセミナーの初日が無事開始されました。15名全員の参加で、写真は最初の海老沼先生の講義風景(GNSSのフロントエンド)です。黒板の左上のほうに白い四角形に見える部分が再放射用アンテナになります。
セミナー中にもしデータのやりとりをする場合、SDRでは容量が非常に大きくなりますので、その場合は新しいSSDを2つ準備していますので、それをご利用ください。WiFiはルータを2つ準備しています(パスワード等は黒板に記載)。こちらは速度が遅い(1MB/s程度)ですので、大きな容量には向きませんのでご注意ください。
昨日今日と学生が準備をしてくれています。再放射キット経由と直接でつなげた場合で、SDRで確認すると、2771のI相のみ(5ms、GPS+QZSS)で再放射キット経由で8機、直接で10機の捕捉でした。単独測位の精度も両方2m程度で問題ないレベルと思います。こちらにある2771はIのみですが、SDRポケットはIQとれますので、さらに捕捉状況良くなります。
東京海洋大学博士後期課程1年の尾関です。
添付はセミナーで使用する大教室全体と再放射器です。
教室内では最大で50dB-Hz程度のSNRが確保されています。(アンテナの持ち方にもよります)
以下は再放射器と接続されている屋上アンテナの精密位置です。
35.6662643
139.7922689
59.827
セミナーで利用する大教室とアンテナです。アンテナはノバテル703GGGです。ケーブルは20mで減衰が5dB程度のものです。
今日、セミナーで利用するフロントエンドのポケットSDRが届きました。写真のとおり、USBと同じ大きさ。私は初めて見るため、そのコンパクトさにびっくりでした。高須様、海老沼先生、鈴木先生をはじめ、関係者に大変感謝です。GNSS用のフロントエンドでまともなものは実はなかなか入手が難しくかつ高価なことが学生の取り組みを阻害していた部分もあるかもしれません。ポケットSDRそのものが本課題の大きな成果の1つだと考えます。
東京海洋大学博士後期課程1年の尾関です。
8月に開催予定のセミナー会場について、簡単に紹介します。
セミナーは東京海洋大学越中島キャンパス第4実験棟5階の大教室で行われる予定です。
以下のURLにあるキャンパスマップの16番が該当の建物となります。
https://www.kaiyodai.ac.jp/overview/announcement/map/echujima.html
最大130人程度座れる教室に、当日は15人前後の受講者で利用するため、密になりにくい環境です。(もちろんエアコン、扇風機も稼働します)
実際のセミナーでは大教室内にいながら本物GNSS信号を受信できるように、大教室内に再放射器を設置しています。(以下のURLにイメージ図)
アンテナ屋上に仮設置しており、教室内では天頂方向の衛星で45dB-Hz程度のSNRが確保されていることを確認済みです。(AMOアンテナ+F9Pの場合)
https://drive.google.com/file/d/1Jc8C4iMvSA3iyai9MMyoeC7udiqBr1sH/view?usp=sharing
6月23日を締切としていました第1回セミナーへの申し込みありがとうございました。7月早々には参加者を決定し、開催できればと思います。なお、15回のうち最初の3回分の講義は、Zoom(後で見て頂くことも可能)で7月後半で行う予定です。詳細は今後ご連絡いたします。
Hello,
Thank you for a question.
We uploaded data and corrected this site.
Regards,
Kubo
みなさま
以下のサイトに第一著者がKai Borre先生のソフトウエアGNSSの
MATLABをC言語に変更したプログラムをIFデータ付きでアップしました。
だいぶ前の測位航法学会セミナーで利用したものを、学生がまとめたものです。
8月に実施予定のセミナーの事前学習などにもご利用ください。
学生が主体となり、説明用PPTの作成と改修を随時進める予定です。
IFデータは、RTL、2771、USRP、TeleOrbitを準備します。
https://www.denshi.e.kaiyodai.ac.jp/kubo/sdr.html
Hello,
Could you please check the link for IF data L1 (RTL-SDR) and IF data L5 (TeleOrbit)?
The links seem broken.
Thank you very much.
Best regards,
Gia Minh Hoang
鈴木先生、回答ありがとうございます。皆様、本年もよろしくお願いいたします。
以前は回答ありがとうございます
GNSS-SDRLIBについて3点ほど質問があります
コリレーターの個数を指定する際に”samples”という単位で決定していますが、この”samples”は”chips”とは違うのでしょうか?単位系として同じの場合1chipが何samplesに相当するかも教えていただけるとありがたいです。
また、LOGを取った場合に”logsync_EF1.csv”といったcsvファイルも取れるのですが、そのセルの値は何を示しているのでしょうか?
最後にLOGの相関値を利用しているのですが、I(0)がプラス値でピークを取っている場合のみを抽出して考察をしています。それ以外のデータ(例えばI(4)がピーク値であるものだったり、そもそも相関値がマイナスだったりするもの)はトラッキングの調整のみで使用してそれ以降の処理の段階では使用しないという認識で大丈夫でしょうか?
返信遅くなり申し訳ありません.3つの質問に順番に回答します.
(1) サンプリング間隔で指定しているため,サンプリング周波数によって変わります.例えばサンプリング周波数が20MHzだとしたら,L1CA信号の1chipの中におよそ20点サンプルが含まれることになります.この場合,0.5chipの相関器は10サンプルになります.
(2) 詳しくはsdrsync.cを見ていただければと思いますが,疑似距離計算時の各チャンネルの信号受信タイミングのズレなどを出力しています.
(3) 相関値がマイナスになるのは航法メッセージによりビットが反転しているためです(相関値のgnuplotの表示では絶対値をとって表示しています).基本的に正常にトラッキングできていれば常にE-P-L相関器のP(I(0))が最大(最小)値になりますが,信号レベルが低かったり,信号捕捉直後,マルチパスがあるときなどはピーク値がずれることはあります.その場合は疑似距離にバイアスが発生しているはずです.
返信遅れました
それぞれについて返答していただきありがとうございます。
航法メッセージによって相関値がマイナスになりうるということなので解析では絶対値を使用して解析を行いたいと思います。
ありがとうございました。
GNSS-SDRLIBで行われているコリレーションについてコリレーション後の相関値の数値データをcsvファイルで取得したく,グラフを描く部分のコードをいじっています.(内容としてはsdrplot.c内のplotxy関数でcsvファイルにxデータとyデータを書き込んでいます.)
その際に取得したデータに時刻が欲しいのと,また取得したcsvファイルのGPS番号とRINEXファイルで出てきたGPS番号が異なって取得してしまっているため,どこかまずい点があるのか,また他に最善案が存在する,例えばコリレーションのデータは他の関数から取れることなどあればアドバイスが欲しいです.
久保です。直接の回答ではないのですが相関値のCSVファイル化であれば後処理でよければオープンソースベース(Kai Borre等の教科書)でCで作ったものがあります。少しプログラムの確認必要ですがどこかにアップしますのでしばらくお待ちください。以降は憶測ですが、GPS時刻は測位に利用しますし必ず定義されているはずです。その時刻と相関処理部の1000msごと(1Hzの場合)の時刻を関連づけすれば大丈夫です。GPS番号も間違いなく相関処理部のある番号と関連づけされていると思います。
海洋大の小林です。
Outputの”LOG”にチェックを入れて相関値csvを出力するのはだめでしょうか?
返信遅くなり申し訳ありません.小林さんの回答と同等ですが,LOGにチェックして実行すると,それぞれの衛星毎に相関値などの出力がCSVファイルで出力されます.それでは不足でしょうか?
返信ありがとうございます.
LOGで衛星ごとの相関値も取れるのですね.ありがとうございます.
いままでLOGにチェックマークを入れてこなかったので早速やってみます.
その際に不足だと感じたらまた連絡をしたいと思います.
海洋大の久保です。こちらのブログは本プログラムだけでなく、GNSSや特にSDRに関する情報を今後更新していきます。もし関連する質問があるときは、ぜひご利用ください。研究室の学生が情報をアップすることもあると思います。