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発展的課題
ADVANCE

初年度でソフトウエアGNSS受信機の使い方をマスターした学生が、さらに発展的課題へと進みます。課題の内容は大学の教員だけでなく、GNSSに関連する企業や国の研究機関の方より集めたものとなり、やりがいのある課題になると思います。 以下にあげた課題を全て実施するという意味ではありません。課題によって差がありますので、参加者の興味が一致し実施可能なところから取り組めればと考えています。

 

No.

課題名

概要

FPGAベースのGNSS受信機開発

昨年度のセミナで入門的な紹介をしたFPGAを、今年度は本格的なGNSS受信機開発ができるようGNSS受信機開発用プラットフォームを数台準備し、参加メンバーにこのプラットフォームを貸し出し、数名ほどのチームで開発を予定。

電離層シンチレーションモニター用受信機の開発

電離層のシンチレーションモニターは世界中ですでに実施されているが、対応する受信機がサイエンス用のため非常に高価であることが指摘されていた。SDR(ソフトウエア受信機)上では、100Hz等で観測データを出力することは容易なため、低コストかつリアルタイムに上記のような受信機を代用できるか検討する。

QZS-1Rで放送されているL1C/B信号の解析

JAXAにおいてQZS-1Rの新しい信号を試験しており、そこで取得されたSDR用のIFデータをベースに、L1C/B信号の信号捕捉・追尾を実装し性能を把握する。

CSK変調の信号追尾の可能性について

準天頂衛星の初号機はL6信号がCSK変調ではなくBPSK変調であったため、搬送波位相の観測が容易で実際に市販受信機で出力された観測データも問題なかった。しかし、2-4号機ではCSK変調とされているため、搬送波位相等の観測データの確認ができていない。そこで、CSK変調されたデータでの、搬送波位相観測値の取得を試みる。

GNSSとIMUのDeepカップリング

GNSSとIMU等の他センサーとの統合は広く行われているが、大部分がルースカップリングかタイトカップリングにとどまっている。本課題であるソフトウェアGNSS受信機の信号追尾部を学ぶことで、この信号処理部でのIMU等とのカップリングが可能となり、より深いレベルでのカップリングを試すことができる。

LEO衛星(低軌道衛星)からの信号処理

今回準備したフロントエンドでは、幅広い帯域に対応するものがあり、例えばLEO衛星の周波数帯に応じた信号処理の開発が可能である。実際に、LEO衛星を利用した測位等が、米国や中国で報告されており、これらはほとんどがソフトウェア受信機を利用したものである。

信号捕捉アルゴリズムの調査と改良

GNSSでは以下のURLのようなTONG検知方式が従来使われていた。
誤検知が少ない新しいアルゴリズムなどを調査し、実装する
https://gnss-sdr.org/docs/sp-blocks/acquisition/

月面活動に向けた測位技術開発 (LNSS 月ナビゲーション衛星システム)

衛星用の通信フルデジタル化技術開発は国のプロジェクトとしても重要であり、
本SDRプロジェクトも中身の動作を知るという意味合いが強いが、
デジタル化の一つを担っているといえる。
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20210927-mxt_uchukai01-000018059_7.pdf

 

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衛星測位技術を加速させる人材育成
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